釣りたいならルアーの色は色相よりもコントラストを重視せよ

釣れない時こそ、ハンドメイドルアーの出番です。→ショップを見る

ルアーセレクトの際に重要な要素の一つである色。

ベイトを模したリアルなカラーリングのものから、レッドヘッド、チャート、赤金など、一つのモデルで様々なカラーバリエーションがあり、選択に迷ってしまうところです。

マッチザベイトを考慮するのなら、必然的にベイトをモチーフにしたリアルなものが勝ちパターンになるはずですが、現実的にはチャートカラーや赤金など、派手目のカラーにばかりヒットが集中することも珍しくありません。

ルアーアングラーは、常に「勝ちパターン」を探っていることと思います。

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背景色とルアーの色による食いつき頻度の差を調べた実験

さて、よく釣れるルアーのカラーリングは存在するのでしょうか。

興味深い論文があります。

魚がエサをとるときの行動に背景色が及ぼす影響について、鹿児島大学水産学部の研究者らが行った実験結果をまとめたものです。

(出典:CiNii「異なる背景色におけるスズキのルアー色の選択」)

実験は、餌付けしたスズキに対し、4色(白、赤、緑、青)の背景色の水槽内で、5種類(白、赤、緑、青、透明)のルアー(粘着テープを丸めたもの)に対する行動を観察するというもの。

背景色だけ見た場合は、色による食いつき頻度の差は見られず、ルアーの色だけで見た場合は、白、透明、緑、赤、青の順で頻度が高いという結果が出たようです。

背景色とルアーの組み合わせでは、緑色の背景ではルアーの色による食いつきの違いはほとんど無く、白い背景では緑のルアーが白以外のルアーより高反応、赤い背景では透明のルアーが赤、緑、青よりも、白いルアーが赤、緑のルアーよりも高反応、青い背景では、透明、白、赤のルアーが、青のルアーよりも高反応との結果が出ました。

目立つエサに食いつく

この結果から得られるのは、背景色とのコントラストが高いルアーへの食いつき頻度が高かったということ。

赤や青といったルアーの色相そのものではなく、「目立つエサ」に食いつくということですね。

楽天やAmazonで販売されているルアーの定番カラーの分布(ソルト用ミノーの場合)を調べてみても、リアル系のイワシが圧倒的に多いですが、次いでチャート、レッドヘッド、キャンディなどがアユやボラなどを抑えて多く売られています。

「よく釣れるルアーは品ぞろえも多い」という前提のもとで考えるなら、マッドな水域や夜間の黒っぽい背景色に対して目立つ色のルアーがよく釣れているということがうかがえます。

食べ慣れたエサも強い

すべての背景色に対してコントラストが低く見えにくいはずの透明のルアーへの食いつき頻度が高かったのは、「稚魚期にアミ類や稚エビ、稚魚など、体色が透明な生物を捕食していたことによる学習効果が大きくかかわっていると考えられる」と、この論文では考察されていました。

エリアトラウトが、常食しているペレットを模したルアーに反応が良いことや、バチ抜け期のシーバスがソフトルアーに高反応を示すのも、この学習効果によるものですね。

ターゲットが同じエサばかりを食べているフィールドでは、「マッチザベイト」が効果的ということです。

勝ちパターンが見えないときのセオリーとして

以上のことから、初めて攻めるフィールドでも、環境から得られるヒントをもとに効率的なルアーセレクトができそうですね。

水は濁っているか澄んでいるか、水底は白っぽいのか黒っぽいのか、空は晴れか曇りか…。イナっ子が群れている、水棲昆虫が大量発生している等々…。

上記の実験によれば、白系統のルアーはどの背景でも反応が高めなので、ぜひとも揃えておきたいですね。

ただし、あくまでも飼育環境で餌付けになれた魚による実験結果なので、自然界でもこの通りに当てはまるとは限りません。

ブラックバスやブルーギルは赤い色を好むという説もあります。

魚種、環境、天候など、様々な要素を一つ一つ検証していけば、自分だけの勝ちパターンを生み出すことも可能でしょう。

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